訪問先で窃盗 介護士を書類送検 専門家は「氷山の一角」と指摘

重度の身体障害者の男性宅から食べ物や洗剤などを盗んだとして、介護士の女性が警視庁に書類送検されました。介護を必要とする人の弱みにつけこんだ犯行。専門家は「氷山の一角ではないか」と指摘しています。
自分のバッグに、手早く何かを入れる女性介護士。これは、女性介護士が介護のために訪れた家で、洗剤を盗む様子をとらえた映像です。
去年8月、訪問介護をしていた重度身体障害者の男性(57)の自宅で食べ物や洗剤あわせて10点以上、2000円相当を盗んだ疑いで50代の女性介護士が警視庁に書類送検されました。被害にあった男性は1人暮らし。脊髄損傷の障害があり、24時間態勢の介護を必要としています。顔以外の身体を動かすことができず、介護士の動きを確認することもできません。
男性の妹
「ここに(洗剤を)ストックしてあるんですよ」
週に一度ほど、男性の妹が日用品や食料を買って届けていますが、頻繁にものがなくなるのを不審に思い、防犯カメラを設置したところ、今回の犯行が発覚したといいます。しかし、犯行発覚後も介護士を交代させられない、家族ならではの“葛藤”があったと話します。
男性の妹
「この人が怪しいと分かっていたが、今の兄の状態、24時間ヘルパーさんがいないと生活できない。『あの人ちょっと変です』といったときに、『じゃあうち撤退します』ってなったら次がみつからない」
専門家によりますと、こうした介護を必要とする人の弱みにつけこんだ犯行は増加傾向にあるといいます。

和泉短期大学 介護福祉に詳しい 鈴木敏彦教授
「(訪問介護などは)密室化してしまうのが大変残念ですけども、支援者による犯罪の温床になっているというのは事実。今回、声を上げる人がいたから発覚したと思うんです。氷山の一角だと思う」
一方で、介護士を取り巻く厳しい労働環境も、こうした犯罪が起きる一因ではないかと指摘します。
和泉短期大学 介護福祉に詳しい 鈴木敏彦教授
「だからといって人のものに手を付けてもよいというのは絶対にありえないこと。一般的な全産業平均の賃金水準には全然足りていない。人手不足というのも非常に大きいと思います」
誰もが介護サービスを必要とすることになる超高齢社会。介護をとりまく環境整備が求められています。(13日15:48)

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