脳で記憶は「力」によって作られる? 第3の伝達方式発見

人間の記憶が、脳にあるシナプス=神経細胞の化学物質や電気信号によるやりとりだけでなく、シナプスを「力」で押すことによっても形作られる可能性の高いことが、東京大学の河西春郎教授らの研究で新たに明らかになりました。(※動画に音声は入っていません)
人間の脳には100兆個ものシナプスがあるといわれ、それぞれのシナプスは、これまで▼ドーパミンなどの化学物質や▼電気信号のやりとりで情報を伝達していることがわかっていました。
河西教授らの研究グループは、ラットの脳を使った研究で、シナプスの末端部分が大きくなり、相対するシナプスの末端部分を「押す」動きをすることを発見。詳しく調べたところ、「押す力」は1平方センチあたり0.5キログラムと、筋肉と同じくらいの強さであることを突き止めました。
一方、押された側のシナプスも反応して化学物質を放出することも確認。大きくなった末端部分がしばらくの間、その大きさを維持するため記憶を形作る基盤となっている可能性が高いと河西教授らはみています。
シナプスの情報伝達について、「化学」「電気」に次ぐ、第3の「力による伝達」が発見されたのは初めてで、河西教授は「これまで力による伝達を予想した研究者はおらず、神経細胞以外でも似たことが起きている可能性が高いのではないか」「精神疾患などの原因究明につながる可能性も高い」と話しています。
こうした研究成果は、イギリスの科学雑誌「Nature」に掲載されました。(25日01:31)

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