妊娠中の歯周病リスク高まるワケ 治療に有効なプラーク除去

[県歯科医師会コラム・歯の長寿学](316)
妊娠2~3カ月から8カ月位の間は、妊婦さんにとって歯肉が腫れやすい時期となります。主な原因として(1)生活習慣が変わり、不規則に食べたり食べ物の好みが変わる(2)つわりなどで歯ブラシが行き届かなくなったり歯ブラシの時間が短くなる(3)血液の中や歯肉と歯の間からの滲(しん)出(しゅつ)液に女性ホルモンのエストラジオールやプロゲステロンが増え、それを栄養源とするプラーク中の歯周病菌が増殖し歯肉を腫らす(4)ホルモンの影響で歯肉の抵抗力が弱まる-などが考えられます。
治療としてはプラークの除去を行えば改善されます。それには毎日の正しい歯ブラシの仕方で口の衛生状態を改善し、歯科医院での歯石の除去や磨き残しのチェックと歯ブラシ指導が大切です。近年、歯周病にかかっている妊婦さんは、そうでない妊婦さんに比べて早産や低体重児出産の確率が約7倍高まるという研究報告もあります。
妊娠中、むし歯の治療や歯石除去などの治療は可能ですが、安定期(5~7カ月ほど)の治療を勧めます。妊娠初期や後期は応急処置にとどめる方が良いでしょう。エックス線撮影を気にされる妊婦さんも多いですが、歯科での被ばく量は1回0・005~0・04Svと極めて少なく、特定の部位に近距離から当てるため拡散しにくく、またエックス線を直接おなかに当てることもなく、鉛のエプロンをすればさらに被ばく量は減らせるため、胎児への影響はほぼないと考えられます。
歯科麻酔は通常量では妊婦・胎児ともに影響がないとされており、麻酔をせずに痛みを我慢するストレスの方が妊娠には良くないと考えられます。薬の服用は、妊娠初期と後期には注意が必要です。痛み止めは特に慎重な対応が求められ、産婦人科医と相談し、比較的安全な薬を処方してもらいましょう。以前もらった痛み止めを勝手に服用しないようにしましょう。お口の中も健康にして、元気な赤ちゃんを出産してください。(梅村誠 セルージュデンタルクリニック=宜野湾市)
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